yahikoの特オタLog

人生の9割をウルトラマンシリーズと生きてきたオタクの、自由気まま日記です。ウルトラマンはもちろん、その他の特撮やアニメの感想だったり、コレクションしているソフビやおもちゃの紹介、それぞれにまつわる個人的な思い出などを書いていきます

「シン・ウルトラマン」感想 その2

 さて、「シン・ウルトラマン」の感想の続きを綴っていきましょう!

 前回の記事に引き続き、引っかかった点について書いていこうと思います。

 

オリジナルそのまま?

 本作はオリジナル版にあった4つのエピソードを基にした構成です(実際は5つ!)

 ・第3話「科特隊出撃せよ」

 ・第9話「電光石火作戦」

 ・第18話「遊星から来た兄弟」

 ・第33話「禁じられた言葉」

 それぞれの大まかな話の流れや登場怪獣・宇宙人はオリジナル版を踏襲しつつ、様々なアレンジが加えられています。

 

 これについてはウルトラマンファン及びウルトラマン初心者・未視聴者関係なく意見が分かれるところではないでしょうか?

 つまり、ネガティブな言い方をすれば「初代ウルトラマンの話をなぞっただけでは?」となってしまう訳です。

 

 随所に散りばめられたオリジナル版の要素もファンにとって嬉しいポイントである一方で、"同じことをやっている"とも捉えられ、初心者・未視聴者からは「?」や、楽しめるポイントではなくなってしまうんですね。

 僕は鑑賞中その点は気になりませんでしたが、後で考えると「同じかも?」となってしまったのも事実です。

ジャミラの話も見たかった

 あとこれは素人の個人的な考えで恐縮ですが、ザラブ星人の話は第23話「故郷は地球」でも良かったんじゃないかと思いました。

 ザラブとメフィラスって知略を使う宇宙人ってとこで被ってる気がしなくもないし…

 それだったらネロンガガボラで正統派怪獣戦→ジャミラで変化球→メフィラスで知略宇宙人戦→最強の敵って流れでも良かったのかな?と、、、

 ウルトラマンの中でも特にテーマ性がある話だし、"進歩を続ける文明と技術開発の裏で犠牲になっている存在"っていうメッセージは、ウルトラマン初心者にも響いたと思います。

 オリジナル版からの改変になるけど、この話の中心人物をイデ隊員(本作では滝)から船縁にすれば、彼女の見せ場も作れた気がします。

映画としての構成

 また一本の映画として考えた時にどうなんだってなると、上記の通り複数のエピソードを纏めているので、展開がぶつ切りな感じは若干否めないのかなと思います。

 ただそこは基になっている作品を比べた時、『シン・ゴジラ』は初代ゴジラが一本の映画である対して、ウルトラマンは全39話のテレビシリーズなので、それを2時間の映画にするのはどうしても難しいものがあって、今回の様な構成になってしまうのかなと思います。

 

 とはいえ、オリジナル版と同じっていうのも、僕がまだ本作の真髄というか、作品に込められたいろいろな要素や想いを理解したり咀嚼できてなくて、表面的な部分だけを見てるから、そう思うのかもしれませんが...

 

演出・カット等について

 あと僕が気になったのが、登場人物達の顔のアップや、何かの物越しに写すカットがやたら多い印象でした。

 ちょっと多すぎて画的に単調というか、面白みがあんまり無い気がしました…(またど素人の感想お許しください汗)

 

 本作の監督は樋口真嗣監督なんですが、庵野秀明監督が総監督を務めた『シン・ゴジラ』はどうだったかなって考えたとき、比較出来るほどしっかり思い出せなかったので、『シン・ゴジラ』を見返した後に、また本作を観てみたいです!

 (シン・ゴジラ公開当時はカット割りとか演出まで考えながら観てませんでした💦)

 

最後の展開について

 ここまで悪かった・気になった点について書いてきましたが、ここで最後の展開について考えてみたいと思います。

光の星の立場

 終盤には光の星(オリジナル版でいう光の国)からゾーフィ(これもネタバレですね汗)が来て、マルチバース宇宙の均衡を保つために(だったかな?)地球と人類を滅ぼそうとします。

 初代ウルトラマン以降、いろんなウルトラマン達が地球をと訪れて人類を守ってくれてた歴史がある今だからこそ、「ウルトラマン達は地球や人類の味方」っていう認識ですよね。

 でもウルトラマンが初めて地球に来た本作では、全宇宙において中立的な立場の光の星としては、地球を滅ぼすのもやむ無しってこともあり得るんですよね。

 この展開はウルトラマンをまた別の角度から解釈したものとして、有りだと思います。

本作のゼットン

 公式から事前発表はなかったけど、いろんな人が考察していた通り終盤は第39話「さらばウルトラマン」の展開となっており、ゼットンが最強の敵として登場しましたね。

 

 僕は本作のゼットンはめちゃくちゃ良かったと思います!!

 ほんっとにゼットンが怖かった。絶望感が半端なかったです(・_・;

 

 よく初代ウルトラマンをリアルタイムで観た世代の方が「ゼットン怖かった」とか「ウルトラマン負けたのがショックだった」って話してるのをテレビ等で観たことがありました。 

 でも生まれた時から初代以降のウルトラマンが存在してた世代の僕は、その感覚がよく分かっていませんでした。

 だけど本作の終盤でゼットンの恐怖とか絶望感を味わったことで、"リアルタイム世代が感じたものってこういうものだったのかも…"って実感しました。

 

 ゼットン生物兵器じゃなくて機械兵器にアレンジした点も、ゼットンの無機質で絶対的な強さがオリジナル版とは違った形で現れてて凄く良かったです!!

ウルトラマンに抱くイメージ

 今まで僕の中でのウルトラマンって、どこか超然としてる印象でした。

 もちろん、ウルトラマンシリーズで何度か明言されてる「ウルトラマンは神ではない」ってことは知ってたし、ウルトラマンっていう存在にとって重要な要素だと思います(このことは本作でも大きなテーマになってます。)

 でもやっぱりどこか人間離れしてて、特に初代は凛としてるイメージが大きかったんです。

 

 だけどゼットンを倒す際に発生した空間の歪みに飲み込まれまいと必死に逃げるウルトラマンや、そんなウルトラマンをゾーフィが発見できた理由を聞いて、ウルトラマンでも自分の身に危険が迫った時、"死中に活を求める"こともある存在なんだって改めて思いました。

 僕がウルトラマンに対して抱く印象・イメージにまた新たに変化したんです。

ウルトラマンの最期

 これは大きなネタバレですが、オリジナル版とは違い、本作の最後はウルトラマンが自分の命と引き換えに斎藤工さん演じる神永新二を救います。

 オリジナル版通りならゾフィーのおかげでウルトラマンもハヤタも助かるんですが、「それをそのままこの作品でやるのは都合良過ぎる展開だな…」と心配してたんですが、そこはちゃんと現実味のある改変になってるとおもうので、個人的には満足の展開です。

 

 オリジナル版も原案ではウルトラマンが命を落とす展開だったみたいです。

 また、この展開だからこそ神永をはじめとした人間を守ると決めたウルトラマンの決意や覚悟がひしひしと伝わって来ると思います。

 両方助けるってことをしないゾーフィのそれまでのある意味厳しい立場とも矛盾しないし、本作のキャッチコピーにもなってる言葉が効いてくる気がします。(オリジナル版はは"ゾフィー"なんでそもそも別人なんですが)

 

 それに"ウルトラマンが命を落として終わる物語"としたことで、ウルトラマンファンと初心者・未視聴者どちらにとっても、余韻が残る最期だったんじゃないでしょうか。

 

まとめ

 最後に、『シン・ウルトラマン』とは何を描いた作品なのかと問われたら、

「地球に棲む人間を好きになった、ある1人の異星人の物語」というのが、現時点での僕の答えになると思います。

 陳腐かもしれないけど、今はやっぱりこれじゃないかなと思いますね。

 

 そうは言ってもまだ1回観ただけで、パンフレットもデザインワークも未読だし、製作陣のインタビューちゃんと全て読んだ訳じゃありません。

 恥ずかしながら米津玄師さんの『M八七』の歌詞の意味も咀嚼できてないし…

 

 このブログでど素人の立場で失礼なのは重々承知で「こうすれば良かったかも」とほざきましたが、いろんな公式資料をみたら、こうじゃいけなかった意味や理由がきっとあるんじゃないかと思います。

 それを知ったら僕の考えなんか凄く浅はかだって思い知るんだろうなぁ汗

 また、いろんな人の本作に対する考えや解釈も知らない状態でのものなので、この先いろんな情報をインプットした上で観返したら、きっと変わると思います。

 

 鑑賞直後は余韻に浸ってましたが、こうしてブログを書きながらいろんなシーンを思い出してると、まためっちゃ観返したくなってます笑

 パンフ・デザインワーク読んだ後に観て、製作陣のインタビュー読んでから観て、『M八七』の意味を知ってから観て、『シン・ゴジラ』を観直してから観て、いろんな人の見解を見てから観て、、、って感じであと5回は観返したい勢いです( ・∇・)

 

 もっといろんな角度から感じて、考えて、勉強して、さらにさらに、もっともっと深くこの作品を理解したいって気持ちで今はいっぱいです。

 

 ただ確実に言えるのは、初代ウルトラマンに通ずるいろいろなことを劇場の大きなスクリーンで体感出来たのは興奮したし、本当に映画館で観て良かったって思える作品でした!

 批判的なことも沢山書いたけど、やっぱり僕はこの作品を嫌いにはなれません。

 ウルトラマンファンとして歓喜したのは間違いないし、僕の中では傑作と言っていいほど好きな作品になりました!!

 

 まだまだ熱は冷めませんが、このブログはここで締めようと思いますm(_ _)m

 

 あ、あと1番特典が多い豪華版のBlu-ray購入は決定です笑笑